官民連携の地域づくり

No.80 2018.8.1 「地方創生研究部会/建設業研究部会とりまとめ他」

一般社団法人 国土政策研究会

事務局だよりNo.80

「地方創生研究部会/建設業研究部会とりまとめ他」

2018.8.1

http://www.kokuseiken.or.jp/jimukyokudayori.html

 

【地方創生研究部会とりまとめ】

 平成27年に設置した地方創生研究部会(部会長:司波寛)は、同年5月に開催したシンポジウム「地方創生の深層を探る」、《基調講演、服部圭郎 明治学院大学教授(以下肩書は全て当時)、出演者 佐藤具揮 農林水産省農村交流課長、徳永幸久 国土交通省地方振興課長、石田義廣 千葉県御宿町長、高田邦道 日本大学名誉教授・国土政策研究会理事、司波 寛 国土政策研究会理事・地方創生研究部会長、コーデイネーター 小浪博英 国土政策研究会専務理事・元東洋大学教授》から始めて15回に及ぶ研究部会を開催しました。結果は小冊子にまとめましたので希望者は事務局までお問い合わせください。その要旨は以下の通りです。

 

《基本的認識》

 わが国では、巨大都市への人口集中と地方の荒廃が同時に進んでいる。巨大都市では過密により悪化した生活環境の改善の見通しと災害に対する安全性が見いだせていない。地方では、多くの都市の市街地拡散等、生活環境の劣化、国土の荒廃が起こっている。

 少子高齢化社会で、人々が幸せに暮らせる社会構造への転換を、わが国がまだ大きな経済力を持っている今のうちに実行するべきである。

《主要課題と施策の展開方向》

1.土地制度の改革

 地方創生は、国土の土地利用構造を大きく変革することが基本になる。そのためには、土地に対する公共の関与が大きな役割を果たすことは明らかであり、公の権限を適正な形で大きくしていく。

2.地方での高等教育拡充と新しい仕事の創造

1)地方での高等教育の拡充:巨大都市での高等教育機関の膨張抑制、次いで縮小を図りつつ、地方の高等教育機関を質量ともに拡充していく。

2)地方の仕事創造:農林水産業等を新た視点からの雇用の場として再生していくとともに、IT時代に対応した新しい働き手を地方に移動、定住を促進する。

3)大都市に先行してベテランの再雇用を促進:働く意欲のある高齢者を巨大都市に先行して地方に迎えるシステムを開発し、実行するとともに、年金等の社会福祉制度を転職しても簡易に継続できるようにする。

3.国際・国内の交流の促進

1)情報の発信:地方から直接世界に向けて、多言語、多様な手段により情報を発信する。

2)交流環境の促進:情報の発信と併せた来訪者、移住者への長期的、短期的受け入れ環境を整備する。

4.地方の地域構造の改革

1)中心市街地の活性化と生活拠点への機能集中:地方の拡散した市街地を集約して、利便性の増進、交流の稠密化、暮らしの楽しさの実現の基盤を再生する。

2)居住地集約の方策:市街地の集約に当たって一番重要なのは、居住地の集約である。従来の持家政策に代わり、民間を含む賃貸住宅制度の拡充と共に、公的住宅を適正な位置に、適正な量を建設していくシステムの構築が必要である。また、弱者や独居老人の地方における居住環境も改善する。

3)地方における公共交通の再生:地方での公共交通の利便性を飛躍的に増進する必要がある。そのためには、公共交通に関する新たな制度を構築する。

《今後に向けて》

 これからのわが国では、公が大きな役割を果たす必要がある。当然、国民負担は大きくなるが、前向きで適正な再配分が行われることにより、多くの人々が幸せな生活を追求できる社会を目指すことができる。

 

【建設業研究部会とりまとめ】

 平成28年に設置した建設業研究部会(部会長:埜本信一)は、5回の研究部会を開催し、その間、田村央 国土交通省建設技術調整室長(以下肩書は全て当時)、井口達也大林組海外支店副部長、蟹沢宏剛 芝浦工業大学教授、根本崇 元野田市長、有賀長郎 一般社団法人日本建設業連合会事務総長の各氏に丁寧なお話を賜り、岩井國臣前会長を始めとする多数の部会員による熱心な議論を経て、この度小冊子にまとめることができました。その要旨は次の通りです。なお、小冊子をご希望の方は事務局までお問い合わせください。

 

1.調査・設計・施工・維持管理を伴う公共事業は単純な価格競争になじまない

 一般の商取引とは異なり、事業の内容を理解し、それを遂行できる技術力・体制を有する事業者にしか発注できないので、ある一定の枠の中でしか価格競争原理が働かないはずであり、これを一般競争入札に掛けて価格だけで受注業者を決定することは不適切と言わざるを得ない。また、現在及び将来にわたって、公共インフラの品質確保と適切な機能を維持するためには、その担い手の中・長期的な育成・確保がきわめて重要である。そのためには、受注業者が適正な利潤を確保できるように予定価格が適正に定められることなどが不可欠である。

2.建設労働者の労働環境改善が急がれる

 近年多発する自然災害に対処できるのは主として建設事業者と自衛隊であり、その建設事業者の人材確保が困難となっている。建設技能者・労務者の給与、労働時間、社会保障などの改善が喫緊の急務である。

3.女性労働力、若年労働力の確保

 他産業と比較して女性労働力、特に女性の建設技能者が極端に少ない。また、現在の就業者の年齢別構成が極端に高齢化するとともに若年労働者の比率が低下している。建設業の健全な維持のためには労働環境の改善と併せて、女性技能者、若年就業者を確保することが必要となっている。

4.建設業経営の安定性確保

 冒頭に述べたように、建設業が一般の市場経済とは異なる性質を持っていることに鑑みれば、建設業経営者がある程度受注の見通しを持って安定的に経営が出来るような公共事業の進め方を検討する必要がある。

【国政研ゴルフ大会】

 昨年6月の大厚木カントリークラブでの大会に続いて、本年は群馬県のグリーンパークカントリークラブにおいて、9月18日(火)に開催致します。17日は「敬老の日」ですがクラブのロッジで前夜祭を開催の予定です。会員各位のご参加を期待いたしております。もちろん当日参加も歓迎です。希望者は本部までお電話又はメールをください。メールは info@kokuseiken.or.jp です。

 

【事務局の夏休み】

 本年も8月10日から14日まで事務局を閉鎖いたします。よろしくお願いします。

 

国土政策研究会事務局

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